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2006.05.12

「魔物語 -愛しのベティ-」

B000bpk5m201 Betty8  またまたDVD映画鑑賞ネタになってしまうんですけど、それにしても、ニコール・キッドマンは素敵ですねえ。さすがはハリウッド第1級女優、違いますねえ。どんな役もこなす。「ザ・インタープリター」も「アザーズ」も、この前見た「ステップフォード・ワイフ」も、そして今回の「奥様は魔女 -Bewitched-」も。シリアスもコメディも性格を全く変えて役作りをこなす。知性的な美しさと、今回見たコメディでの可愛さ。どんな役でも、魅力を十全に発揮する。いやはやたいしたものです。ハリウッドではもはや大女優と呼ばれる一人なんだろうからなあ。とても楽しい映画でした。ニコール・キッドマンの「奥様は魔女」。

B0009b16te01  1960年代のTVドラマ、「奥様は魔女」は日本でも大人気の、不思議ホームドラマ・コメディでした。主演エリザメス・モンゴメリーが魔女サマンサ役をやって、50年代60年代のアメリカの家庭の専業主婦をこなし、楽しくおかしいホームドラマ・コメディをアメリカで、1964年から72年まで大人気で続け、日本でも66年から放送、人気を博し続けました。特に魔女の主婦、サマンサがばれないように魔法を使うときにやる、ピクピクピンて口の動き、流行りましたねえ。意外とあれ、難しいですよねえ。僕も子供の頃見た覚えがあります。向こうのサラリーマンの主人ダーリンと主婦サマンサが営む家庭に、サマンサゆかりの魔法使いが現れて織り成す、コメディーのホームドラマでしたから、子供時分の僕は熱心に見るファンではなかったけど。でも、両親と一緒にけっこうよく見ていたと思う。「可愛い魔女ジニー」って、似たドラマ設定のアメリカ番組がやってたけど、同時期の放送なんですねえ。記憶的にはもっと後かと思っていたけど。日本での放送は、こっちも66年からとなっている。同時期です。僕は、再放送で見ているのかしら。「可愛い魔女ジニー」の方が、ジニーそのものが色っぽくて、もうそろそろ色気でも覚えようかって年頃になる子供には、興味があったかも。でもまだやはり子供だったからやはり、そんなには熱心に見てはいない。ジニーは今でいうエロ可愛い、だったのかな。「奥様は魔女」は日本でもTV放送史に残る、輸入ドラマです。

Img7fcec03f34xszk  今回の2005年アメリカ映画「奥様は魔女 -Bewitched-」は、エリザベス・モンゴメリーのやったサマンサ役を、新たにニコール・キッドマンがやる、というのとは違って、前作を踏襲した別ドラマです。リメイクだけども、お話自体はちょっと違う。60年代大人気のTVドラマのリメイクで、人気回復を謀ろうという落ち目の俳優ジャックが、新人女優を探し出す。魔女の主婦役に抜擢された新人女優は、実は本物の魔女イザベルであった‥。それから織り成すコメディの恋愛ドラマです。60年代前作を踏まえたお話で、同じ劇中登場人物は出て来るんですけどね、微妙に配役が違う。まあ、見てのお楽しみですけど、面白いです。モチ、主演ニコール・キッドマンは美しいし、役柄的に可愛いし、ホント、イイ!です。イザベルの口を動かす、ピクピクピンが見もの。僕は洋画を見ても、ニンマリすることはあっても、声を上げて笑う事は滅多にないのですけど、この映画では笑いました。おかしかった。まあ、もっとも、僕は洋画はサスペンスやミステリー専門だから、あまり声を上げて笑わないのも当然ではあるのですけど。

10002153281  というところで、漫画です。出た、いよいよ漫画作品。「奥様は魔女」のTV放映も映画も、扉に、箒にまたがって飛ぶ、魔法使いの帽子を被ったサマンサ役E・モンゴメリの似顔漫画アニメが流れました。扉タイトルバック絵アニメ、です。それとは関係ないんですけど、日本の魔女漫画。あ、そういえば、最近、日本のTVドラマで、日本版「奥様は魔女」、やってましたね。魔女主婦役が女優の米倉涼子で。ダーリン役が原田泰三。2004年の放送です。1回も見てないけど、あれはヒットしたのかな(?)。はい。TVドラマでなくて漫画ですね。漫画作品。漫画で、魔女を扱った漫画は多分いっぱいあると思います。魔女が主役の漫画で、僕がすぐにポンッと思いつくのは二つ。一つは三山のぼるさんの「メフィスト」。もう一つが原作・小池一夫、作画・叶精作の「魔物語」。今回は、「奥様は魔女」がコメディだったという事で、シリアス味が強くホラー系の「メフィスト」ではなく、「魔物語 -愛しのベティ-」の方で行きます。

Betty14  劇画「魔物語 -愛しのベティ-」は小学館ビッグコミックオリジナルに1980年から85年まで連載されて、同社のビッグコミックスでは全17巻で刊行されています。勿論今は絶版でしょうが、原作者の小池一夫氏の出版元から文庫とコンビニ版とでも呼ぶ軽装単行本で、新たに出ています。これも今現在、新刊で買えるのかどうか‥、ですけど、劇画物語としてはもう大長編の部類ですねえ。稀代のストーリーテラー小池一夫さんの、油の乗りきったというのか、一番活躍されていた時代の、多くの傑作を生んだ時期の、その傑作のひとつです。この頃の小池作品には、男女恋愛の「愛」をテーマにしたものが多い。もともと小池ストーリーは、初期はともかく中期からの数多い傑作陣には必ず一本、テーマに「愛」が通っていました。青年漫画・少年漫画に、真面目に考える「愛」というものを導入した、初めての人なのではないでしょうか。小池一夫原作劇画に通る「愛」のテーマは、ちょっと大袈裟に聞こえますが、ある種、哲学的なものでした。さまざまなシチュエイションの小池「愛」論が、各物語を通して展開されているのです。

Mamonogatariovax  少年漫画に「愛」を初めて持ち込んだ人は、小池一夫よりも早い時期に、60年代からの漫画原作の王者、梶原一騎が居ます。「巨人の星」「あしたのジョー」等の代表作にもそれとなく、エピソードの一つとして、梶原流青少年向けの「愛」が挿入されていました。実際に「愛」をテーマにしたかの如き、「愛と誠」や「朝日の恋人」などの少年漫画原作作品も連載されました。しかしその説く「愛」は画一的で古臭い、男のロマンの付け足しのような愛だったように思えます。あくまで主役は男で、それを支える愛、あるいはもっと違う広い意味での理想的愛、だったように感じます。やはり、男女の仲の真面目に考える「愛」を劇画に持ち込んだのは、小池一夫でしょう。梶原の説くような、しょせん物語中の、そのまま行けば神の愛だとか人類愛にでも繋がりそうな、無理な理想的愛ではなく、そう、はっきりと男と女の恋愛の「愛」です。この「魔物語」も悪魔や妖怪、魔法の世界を描いて、テーマは男女の「愛」なのです。

Betty4  ヤクザ者の肝川胆平が仇討ちの殴りこみに出掛ける途中で助けた可愛い女の子は、実は魔界の次期女王候補ベティ‐バレンタインであった。最初、ベティが人間胆平にベタ惚れするものの、お話はいろいろな方向へと展開する。やがて魔界が舞台となり魔界の掟なぞあって、人間胆平の愛が試され、二人に試練が訪れる‥。長い長い物語中、ハラハラドキドキや活劇シーンありで、ファンタジーの中にもあくまで愛を描く、コメディー味の大長編劇画です。作画は叶精作さん。非常に絵のうまい漫画作家さんです。小池一夫とのタッグを組んだ劇画名作は数知れず。初め、さいとうたかをプロで、アシスタントを4年間やって、小池一夫のスタジオシップへ。後に独立。漫画作家だけでなく、プロのイラストレイターとしても定評があり、Macを使った精緻なCGイラストも作画する。僕が、小池一夫原作・叶精作作画で一番好きな作品は、SF劇画「ブラザース」ですね。いつかここで、「ブラザース」を書こう。

Mamonogatariova2  僕は、「魔物語 -愛しのベティ-」は雑誌連載で、多分ほぼ全編読んでるんじゃないかなあ。と思う。後にコミックスでも読み返しているけど、とても全17巻ではない。コミックスでは読んでても、10巻までくらいですね。似たお話傾向の作品に、同じ小池一夫原作で、作画を永井豪氏がやった漫画、「花平バズーカ」というのがある。これも、人間花平と魔女との恋愛の「愛」を描く作品。青少年に考えさせるところがありますよ。尚、知らなかったんですけど、小池一夫氏の制作で1986年にアニメ映画が作られているんですねえ。これはオリジナル原作のコミックス1~3巻のお話を脚色したストーリーらしいです。一応、成人向け指定ビデオになっている。

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奥さまは魔女 ニコール・キッドマン主演のリバイバル 「奥さまは魔女」 昔やっていた、TVドラマはなんとなくしか憶えてないけど [続きを読む]

コメント

猫かつお様。コメントありがとうございます。
私もOVA版は見ていません。80年代にこういうアニメを作っていたんですねえ。OVAだけど、劇場公開もして。これ確かR指定みたいな年齢制限があったんじゃないかな(?)。小池一夫さん原作の青年劇画はどれもかなりエッチなシーンがいっぱい入ってますからね。アダルトアニメの先駆っぽい。先駆は手塚治虫の「クレオパトラ」かな。「魔物語」OVAは原作とは絵柄がだいぶ違いますね。原作漫画はコミックス17巻分だから、劇場用アニメ一回分では物語はあんまり描けてないような気がしますので、私としてはあんまし期待はしてません。やっぱ長編の原作漫画が面白い。
「ブラザース」はSFです。無論、エッチなシーンも満載です。80年代から90年代初頭くらいのGORO連載でしたね。基本設定が第二次大戦終末期にナチスが科学者に作らせたロボット軍事兵器、ですから21世紀に入って10年以上経つ今となっては設定が古く感じられます。日本だと太平洋戦争末期に開発されてた鉄人28号、ですもんね。「ブラザース」はロボットというよりもサイボーグですけど。でも小池一夫はあの時代に凄いですよね。HEMという骨格が鋼鉄の機械で肉体は人口細胞なんて、新たなサイボーグを考えちゃってるんですから。漫画の中で、HEMの解説も如何にも科学的に解説を述べてるし。
21世紀に入って読むのに、ヒトラーを出すのはちょっと違和感もあるかも知れませんが、お話は80年代舞台だし、「ブラザース」はSFアクション劇画としてメチャ面白いです!末っ子HEMメモリーが可愛いし。


CSテレビにて見てみたいんですよ映画版
ブラザーズは読んでませんよ

まんがふぁん様。
コメントどうもありがとうございます。
「魔物語」全編、また読み返してみたいですねえ。
僕は一度、引っ越した際に相当な数量の漫画本を捨てていて、今考えたら、あれ、もうもったいなくて‥。漫画古書ブームのすぐ前頃だったから。
そん中に何冊も「魔物語」のコミックスもあったんだけど‥。

魔物語は面白く10年くらい前に読んだ。きっと、今、読み返しても面白いだろう。2度3度と読み返せるものはエンターテイメントととして本物だ。

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